美術デザイナーリスト1

薩谷和夫

 薩谷さんは東宝映画「ハウス」で大林監督と出会い、後に東宝を退社し、ずっと大林映画と寄り添うように生きられた。「異人たちとの夏」で毎日映画コンクール美術賞を受賞されるのだが、僕は誰が何と云おうと薩谷美術の最高傑作は「はるか、ノスタルジイ」であると今でも信じて疑わない。「はるか…」でも是非受賞してほしかった。
 薩谷さんは「水の旅人」九州ロケハン中、体調を崩されやっとの思いで尾道まで戻られ、市民病院に入院された。精査を進めた結果、非常に難病であるということで倉敷の川崎医大附属病院に転院することとなった。実はこの時、薩谷さんの搬送に付き添ったのが、僕の内科医の友人だった。薩谷さんとは一度もお話する機会がなかったが、なにか不思議な縁を感じる。その後間もなく、残念なこと に薩谷さんは亡くなられた。薩谷さんは「さびしんぼう」の舞台となった西願寺をこよなく愛され、尾道のホテルに宿泊されるときはいつも海側ではなく反対の西願寺の境内が見える部屋に宿泊されたという。そして今は本人の希望で西願寺の海の見える墓地に眠られている。悔いのない人生だったろう。僕も薩谷さんのようにこそ、生きたいと想う。
 「ハウス」以降の大林映画の殆どに、薩谷さんは
ちょい役で出演もされている。僕の好きな薩谷さんの演技は「転校生」の"I`m surprised !"と云う英語の先生と、「おかしなふたり」の銭湯のおやじ役である。そうそう、大森一樹監督の「トットチャンネル」も忘れてはいけません。
 最後に薩谷さんの遺作映画「青春デンデケデケデケ」の公開当時は、四国の書店で薩谷さんが描かれた観音寺のロケ地マップが発売されていたが、今はどうだろうか?

公開年作品名クレジット
1977『HOUSE・ハウス』美術
1979『金田一耕助の冒険』美術
1981『ねらわれた学園』美術デザイン
1982『転校生』美術デザイン
1983『時をかける少女』美術デザイン
1983『廃市』美術
1984『少年ケニヤ』美術(実写)
1984『天国にいちばん近い島』美術デザイン
1985『さびしんぼう』美術デザイン
1985『姉妹坂』美術
1986『彼のオートバイ彼女の島』美術
1986『四月の魚(ポワソンダブリル)』美術
1986『野ゆき山ゆき海べゆき』美術デザイン
1987『漂流教室』美術
1987『夢の花・大連幻視行』美術監督
1988『おかしなふたり』美術
1988『異人たちとの夏』美術
1988『わたしの心はパパのもの』美術監督
1989『北京的西瓜』美術監督
1991『ふたり』美術監督
1992『青春デンデケデケデケ』美術監督
1992『はるか、ノスタルジィ』美術監督
1993『水の旅人』イメージデザイン


竹中和雄

公開年作品名クレジット
1993『水の旅人』美術監督
1994『女ざかり』美術
1995『あした』美術



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